八王子市主催の防災指導員育成研修会が7月8日、15日に開催され、飯島町会長と参加した。
八王子消防署のバックアップを得ながら今年度初めての試みとして実施されたもので、120名(内自主防災関係者が80名、公募の参加者40名)が教育センターで受講した。
カリキュラムは、
第1日目が、講義「八王子市における震災対策の現況」、講義「防災に関する基本的事項」、実技「震災時における救援活動要領等」、実技「ロープワーク」。
第2日目が、実技「応急救護訓練(AEDを含む)」、防災機関見学「東京消防庁関係施設」の内容であったが、防災機関見学は当日、JR中央線への落雷による影響で交通渋滞に巻き込まれ、施設(立川)まで行けず中止となった。
以下、講義、実技の概要を記します。
「八王子市地域防災計画」
内容は、総則、災害予防計画、震災応急対策計画、危機管理計画、復旧復興計画と付編の警戒宣言等対応計画から構成。
(防災計画の本編〔本冊・別冊〕は由木事務所で閲覧できる)
地震による被害想定および災害危険性について、東京都が策定(H9年策定、H18年見直し)した内容によれば、本市の場合、多摩直下地震(立川断層の辺り)によるマグニチュードM7.9の規模が冬季の朝5時、風速6m/sの条件下に発生したと想定した場合、人的被害は死者数が86名、負傷者数3,886名としている。
災害の被害を最小限に止めるためには、災害に強い都市・体制・人づくりが必要で、危険箇所の周知や予防策、避難場所の整備、情報収集や伝達体制整備、総合応援体制の整備、災害用備蓄品の強化・充実、防災教育や自主防災活動の推進、防災訓練の実施など上げている。
中越地震時の支援活動経験談として仮設トイレの必要性、救援物資は1品/箱で送ることが肝要等の紹介があった。
「防災に関する基本的事項」
阪神・淡路大震災の被害、多摩直下地震の被害想定、地震時の消防力(12分団員は1、500名強)、事前対策として家庭防災会議の実施、地震に備えるポイント、消火のチャンス等の紹介があった。
地震時の怪我の大半は、家具類の転倒、落下物が原因。また、阪神・淡路大震災では、火災による被害が大きかった。
初期消火活動が重要で、火災が少なければ、消防力は他の支援に回れる。
東京都では火災早期発見のため、住宅に火災警報器の設置を義務付ける東京都火災予防条例が制定された。
新築・改築住宅は、H16年10月1日から、既存の住宅は、H22年4月1日から条例が適用される。なお、不審な訪問販売には十分注意すること。消防職員が販売で訪問することはありません。
「震災時おける救済活動要領」
簡易トイレの紹介、ろ水機の取り扱い、救済のための道具(チィエンソー、破砕器、ハンマー等)の実演があった。
簡易トイレは、250基あるが550基に拡大予定。救済のための道具は、消防署にあり緊急時借用できる。
「ロープワーク」
日常でも役立つ内容で、ロープの各種結び方について習った。
「応急訓練」
人工呼吸法と現在設置が広まっているAED(自動体外式除細動器の略号で、電気的ショックを施す機器)による心肺蘇生法を習った。
救命の連鎖とは、早い通報(119)→早い応急手当→早い救命処置→早い医療処置のことで、迅速に途切れることなく行う重要性を表している。
救急車が通報を受けて現場に到着する時間は、約6分(全国平均値)。
この間に、応急手当や救命処置が出来れば救命率も上がると考えられる。(多摩地区の119番通報は、立川の多摩災害救急センターにつながる)
本市のAEDの設置台数は、37台で市の施設に置いてある(由木事務所にもあり)。AEDは音声案内機能が付いており、扱い易い器材である。
AEDの適用条件は8歳以上、体重25kg以上である。
今回参加して、改めて常日頃よりの備えと予防訓練の大切さを知りました。
この研修会は、毎年実施されるとのことですので、多くの方に参加していただきたいと思います。