web版 第20-8号(No61)

  大栗川に清流復活を      東部地区環境市民会議 大島錬三

             その1 大栗川の今と昔

 私たちが住まう町になじみ深い大栗川は、由木で生まれ育った人たちには「ふる里の川」となります。大栗川はニュータウン計画が進み三面コンクリート張りになってからは下水の排水路と化し、この頃では遠くから堰堤に咲く桜のときか、遊歩道の散策路にしか親しまれておりません。 
 しかし、地域の環境向上を塾考し、子孫に地域の何かを残そうとしたとき、この治水にこだわり過ぎた今の大栗川の有りようを見直すべき時期へ入ったように感じ始めました。そこで、大栗川にこだわって調べ感じたことを6〜8回に分けレポートしようと思い立ちました。
このレポートの最終目的は、昔のように「メダカやハヤなどの小魚が棲み、カワセミが飛ぶ清流の大栗川」にし子孫に残したいからです。「ホタルが舞うふる里の川・再現」も決して夢ではないような気がします。まずは、皆さんとご一緒に勉強をしながら考えてみましょう。
昔の大栗川は子どもたちの格好な遊び場だったという古き良き時代のお話を団塊世代の方々からお聞きします。富士見橋の近くで泳いだとか、うなぎも捕れたとか、今では夢のようなお話ですね。
 私は一昨年から八王子市の市民環境活動の一端として幾つかの市内小学校で環境学習のお手伝いをしています。昨秋行なった第九小学校の「環境学習・水と生活の係わり」の授業の中で、学習お手伝い8名と4年生70名が一緒に浅川の観察に出かけました。場所は学校から徒歩10分にある萩原橋(国道16号が通る浅川橋のひとつ上流の橋)のたもとから降りた河原には、こぶし大の石がごろごろしていました。下柚木住民である私の勝手なイメージでは、今の浅川ってコイが泳ぐ程度の汚れた川と思っていましたが、実は大きく間違っていました。岸辺から観察した浅川は透明で、川底の石にはアユでも食べそうなコケが付き、3センチ位のエビが沢山泳ぎ、小魚やヤゴもいました。水や川底の砂に触れてもどぶ臭さは全くありません。
 今年は、東中野小学校・4年生132名へ学習お手伝い(12名)を計5回行う計画です。  
 「大栗川を探検する」が4学年の学習テーマで、6月10日に大栗川探検の一環として学校近くの番場橋(野猿街道・信号堀之内駐在署前から入る)へ生徒を同行しました。当日は川幅や水の流れ速度・COD(川の汚れの指標のひとつ)などを測定したあとが川の生き物観察でした。
 生徒たちは大喜びでエコ広場(市の環境学習室)から借用したタモ網で川底の石(ここだけは川底がコンクリートむき出しでなく、漬物石サイズの石を50mに渡って敷いてある)をどけながら川の生物採取をしました。しかし、残念ながら132名の採取活動にも係わらず、捕れたのは「ヤゴ数匹と小さな川虫やヒル」だけでした。  
 学習お手伝いたちは多分この程度の収穫と思い、前日にミミズを入れた「どじょうど」を仕掛けて捕った「大きなドジョウ3匹とアブラハヤ5匹」を全員で観察しました。COD値は、2〜3mg/lで清流に近い数値で、川水に異臭
はなく良好でしたが、川底の砂や泥を採取するとプーンとどぶ臭さを発生します。どうも川の透明度やCOD値が良いのは、ここ数年来の下水道工事による成果のようで、川底には以前のどぶ川だったころの遺物の土砂が残っていたようです。身体に染み付いたどぶ臭さの異臭は中々とれず、全身を洗い衣服を全部換えやっと解消しました。

(次号へ続く)

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