web版 第21-10号(No75)

  家庭で、地域で取り組む防災対策

 9月27日(土)に由木地区住民協主催の防災講演会(掲記題名)があり、その中から幾つかの内容を報告いたします。
 講師は災害福祉広域支援ネットワーク・サンダーバード理事の高橋洋氏でした。この方は練馬区役所の現役職員で防災課在籍9年、防災関係活動の論文・出版物を多数執筆されると共に内閣府の防災委員なども兼務されているユニークな防災専門家です。講師のブログを見ると休日には、サンダーバード理事として練馬区市民の防災活動イベントで汗を流しながら指導に活躍していました。
 講演は阪神・淡路大震災のビデオを見てから、聴講者へ「防災の基礎(知識)確認」用のワークシート4枚を配り、三つのテーマごとに、自身が考えていた知識をもとに該当と思われる項目をチェックし、講師の解説する正解と比較しながら全員で学習する面白い方式でした。
 その中から参考になった次の項目を抜粋およびその解説を紹介します。

1.大地震発生直後の行動
 自宅の状況…休日の昼間に大地震発生。あなたは自宅にいて室内は大変散かっていますが、幸い自宅建物には異常なし。地域一帯が停電し、近所には多少の被害が出ている様子。以上をもとに、

@ 火事が起きると困るので、火元を確かめる。…都市ガスは、マイコンが付いているので、メーター位置において自動で止るため、あわてて消火する必要はない。これはプロパンガスも同じ装置が付いているのが普通ですから、いづれもマイコン装置の復帰の仕方は学習しておいた方が罹災時に役立つ。
A 携帯テレビ・ラジオで、地震や被害情報を調べる。…ワンセグ携帯電話のテレビは便利ですが、無い方でも自動車のテレビ・ラジオは役立つ。講師が笑いながら教えてくれたことですが、ある日のこと、枕元の防災ラジオが夜半に鳴って「スワッ大変」と家族全員を起こしたら静岡の地震でした。現在のシステムでは日本中の大きな地震発生を警報してくれるため、改良の余地があるようです。
B 地域の指定された場所に向う。…大地震発生時には避難勧告が出るが、やみくもに避難するよりは、まず自宅から少し離れた安全な場所から様子を見るべき。
従前の行政指導では避難場所のPRとともに指定場所への避難を優先するような感じであったが、現在の指導はイ.家が無くなったり破損がひどく住めない方、ロ.火災が迫っているとき、ハ.避難指示を受けた方、だそうです。 
 避難場所の雑居生活は、体育館などの避難所をテレビで見るように、個室生活が普通の当節では、プラバイバシーは守り難く、何をとっても不自由な共同生活は大変です。利用は最小限とするべきでしょう。
C 向う三軒両隣の安否を確認する。
D 近所の被害現場に、救助や消火のために駆けつける。
…このCDの素早い共助行動が、地域の被害を最小限に食い止めてくれる大切なことです。各地の大震災において、町内に防災組織があった地域の被害は、他の地域と比較して小さいそうです。

2.今後起こる大地震に備える場合
 次にあげた各種の個人対策(自助努力)の中から、あなたが重要と思う順に、先頭の四角の中に順番を書き入れてください。
□ 飲料水や食料品を含む防災用品等を3日分以上用意する。
□ 携帯ラジオ・テレビ、懐中電灯などを用意する。
□ 寝ている場所に重量家具が倒れないように固定する。
□ 自宅の耐震性を調査して、必要なら補強する。
 (注1)答えは文章の最後尾にあり

3.運命(?)の分れ道  あなたなら、どう「選択」しますか?
 大きな避難所の様子がテレビで報道されると、各地からいろいろな「支援」の申し出があります。あなたが、この避難所の責任者であるとしたら、次の申し出に、どのように判断をして答えたらよいのでしょうか?(回答はどちらが必ず正しいという単純なものではありません。ご自分の考えで、どちらかを選択してみましょう)
@救援物資…市の災害本部を通じて、全国から無料小包で送られてきた善意の救援物資を受取るかどうか、聞いてきました。
 A.避難者数だけ受取る
 B.内容がわからないものは断る
A間仕切り…市の災害本部から、避難所に「簡易間仕切」を設置できるので、必要なら申し込むように、たずねてきました。
 A.早速設置してくれるように申し込む
 B.非常時なので必要ないから、申し込
  まない
B暖房(冬季)…灯油を使った暖房器具の必要性について、市の災害対策本部に返答することになりました。受け入れた場合には、原則として器具の点火・消火や、支給された灯油の補給は避難者が自分たちで行う必要があります。
 A.避難所の火事が心配なので断る
 B.避難者での自主管理を徹底して、設置してもらう
C生活必需品の無料配布…被災して1週間たち、付近の商店やコンビニなどでも営業を始める所が出てきました。生活に必要な雑貨類は、市の災害対策本部や企業・団体等の寄付で無償配布してきました。これからも、引き続き配布しますか。
A.たいがいのものは購入できるようになったのでやめる
B.被災者は経済的にも大変なのでしばらく配布を続ける
(注2)答えは文章の最後尾にあり
 
 最後に質疑応答がありましたので、その中から次を抜粋しました。
質問…避難所へ行かず頑張って自宅にいる方々は、避難所で支給する
食料品・日用品等は受取れますか?
応答…同じように受取れます。しかし日頃に家族と災害時・自助生活への工夫を話し合っておくことが大切です。例えば、食料品は3・4日分位は自宅を探せばあるはずです。火を通すためにはボンベ付きガスコンロ(鍋物用)が便利です。意外に困るのはトイレですが、風呂の水を流さない習慣を付けると水洗トイレで30回位は使えます。庭の隅に穴を掘っても用はたせます。

(注)答え…2項は4・3・2・1の順  3項は@B,AA、BB,CA。

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