web版 第23-7号(No96)

  東日本大震災緊急消防隊等の活動報告及び防災講演会

7月9日(土)に南大沢文化会館で行われた掲題・講演会等の一部を次に紹介します。

○ 挨拶からの抜粋
★八王子防火防災協会由木地区連合会長 小泉渉氏…「安否情報の確認」のレベルアップを急務と考え、弱者の把握等を各地域の防災会ごとに工夫し課題前進を願います。

★八王子防火防災協会長 小野政也氏…減災に大きな効果のあるのが「自助と共助」です。共助推進に必要なことは日頃に声をかけ合う「隣近所との信頼関係」が一番大切。

★八王子市長 黒須隆一氏…八王子市に多摩御陵があるのは都内に比べて地盤が固いことも理由のひとつ(一方で盛り土宅地造成が多く家屋倒壊の要因とも言われている)。
 東日本大震災後の市・災害支援活動として、被災者受入れ約320名及び2泊3日の市民ボランティアを実施、6泊7日の学生ボランティアを募集中で近々に行う。

○ 消防隊等の活動報告からの抜粋
★地域防災担当係長 枡岡正氏…今年3月末まではハイパーレスキュー隊員。
 私たち消防救助機動部隊(通称…ハイパーレスキュー隊)は、3月17日に福島原発3号機への注水作業の指令を受けて出動し、数々の困難な状況を超えて18日深夜から放水開始→完了、19日に帰京しました。
 私たち消防のプロフェッショナルに『想定外の状況はない』と、オレンジの消防服に身を固め、がれきの山をかき分け、特殊消防車を前に進め、ホースをつなぎ、真夜中に放水開始、暫くして白煙が上がり、目的の冷却が開始された。翌日、次の緊急消防隊へバトンを渡し帰路へ。プロジェクターの写真で緊迫感がよく伝わる報告でした。

★東京医科大学八王子医療センター/救命救急部長 新井隆男氏…八王子消防署のDMAT(ディマット)として、救命救急センターの約3分の1の人数が、3月11日〜15日まで気仙沼の緊急医療を活動しておりました。DMATとは災害派遣医療チームの英名頭文字をとったもので、「災害急性期に活動できる機動性を持った、トレーニングを受けた医療チーム」と定義されており、医師・看護師・業務調整員で構成されます。
 阪神淡路大震災において、初期医療体制の遅れが考えられ、「避けられた災害死」の最小化を目指しDMATが誕生し、その後の大規模災害時に活動しております。スローガンは『一人でも多くの命を助けよう』です。
 今回も沢山の緊急医療を行いましたが、1名の患者の命を「何もかも失われた災害現地から救う」には、@災害現場からヘリポート地まで搬送、Aヘリコプターで空輸、Bへリポートから救急病院まで車送・・・と、一回に延べ6〜9名程度の人手を要し大変です。
  
★清智会記念病院理事長 横山隆捷氏…3月22日〜27日まで気仙沼において災害医療対策本部長として、亜急性期の災害医療へ従事、自分達の食料は持参しました。大災害の時に医療チームが活動できる範囲は残念ながら狭い。皆さんは、自分に医者の助けは来ない確率が高いと考え、万一の災害に備え最小限の薬剤と持病薬は手元におくべき。
 その後も数回、現地の災害医療に出向いています。最近、感じることですが、災害から4ケ月経った現地では、無料の医療サービスが続く半面、復興の一部として有料の医療(地元医院の再開)が始まりました。何事もそうですが、無料行為が多過ぎると復興への道のり(有料という事業)が険しくなります。
 難しい局面へ差しかかりました。
 
○ 防災講演からの抜粋
「東日本大震災から何を学ぶのか」 
  〜防災のまちづくりをどう進めるべきか〜

★講師…明治大学危機管理センター  中林一樹 特任教授

@30年以内に、震度6弱の首都直下地震にみまわれる確率は75%。
A東京湾北部地震(プレート境界型M7・3)が起ったときの都心の被害想定は
 ・津波…ほぼなし/最大1m
 ・震度6強/半径40km
 ・死者13千人、負傷者24万人
 ・住宅…全壊20万棟&全焼65万棟
 ・避難者…270万人
B多摩直下地震(M7.3)が起ったときの多摩地区の被害想定は
 ・震度6弱
 ・死者…6千7百人
 ・住宅…全壊5万2千棟&全焼29万棟
 ・避難者…313万人
 ・帰宅困難者…448万人
 *家屋の全倒壊数は、八王子市が2千1百棟と他市よりダントツに多い。この理由は、人口も多いが盛り土の造成地が多く斜面地の凸型や凹型盛り土は弱いため 
C「自力対応」で頑張る多摩地域。
・東京湾北部地震は勿論、多摩直下地震といえども、区部の被害は大きな数字 
・全国からの支援はテレビに写される区部の被災地に向けられ、多摩地区は?
D自助及び共助の課題点発見には、自分が披災者と仮定して考えるのが良い。

★後記…講演を聞いた後に思ったことは、過去30年間の大地震は学者の予測と異なる地域と時期に発生していた事例が多い。確率偏重には気を付けよう。『地震は明日に来るかも』の心構えが一番です。(広報部記)

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