web版 第24-1号(No102)

   野猿街道の今昔を描く

            野猿街道の今昔を描く その16
           「住友銀行入口付近より峠を望む」 
                 著者 橋本豊治
     
 旧道は右下の谷戸より急坂を上がって来て、一本目の電柱のところで新道と重なり、絵では隠れている曲がり角(現在の浜寿司)の所から上にのぼり、雷松と新道との中間の丘の側面を通り峠に至るのである。左側の空地の部分は、昭和初めの道路改修時、下方の盛り土として利用されたり、戦後、八王子市街地の復興に壁土用として掘られた跡である。
  中央の大きな松は、雷がよく落ち雷松と呼ばれていた。大変風格のある松だったが昭和三十年代、道路の拡張と宅地造成で消えていった。四十年代の宅地造成で右奥の山の土で埋めつくされ平坦になり、絹ケ丘の町名がつけられ現代的家々が並ぶようになった。
  私の学生時代には、この辺の夜少し遅くなると誰も通らず、峠に五、六軒の家があるだけで真っ暗闇の中で、自分の足音だけが響く非常に淋しい峠道であった。
      picture
  絵の中程に石垣が見えるが、この地の石工の名人、通称石垣善さん(萩原善太郎)が手掛けたものである。善さんは、石組が上手で、細かく大変丈夫に出来上がるので、役所からも絶対的な信用があり、無検査で仕事が出来たとのことである。野猿街道その他数多く仕事をされたとのことであるが、その後の改修等によってこのすばらしい石垣が残っていないのはまことに残念である。

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