恒例の「どんど焼き」が小正月の前日の14日(土)、盛大に行われました。実施場所は、馬場(ばんば)地域の高台の一角。この辺りには昔、お寺があったそうで、子どもの頃この地域を「観音寺(かんのんじ)」と呼んでいました。
毎年「どんど焼き」は、馬場・南ヶ谷戸講中の役員(講中長・副講中長)が中心となって開催準備を行っています。役員の役割は、地域の皆さんが安全に、楽しく参加できるよう、敷地の整備、班内への開催通知や由木分署への連絡、焼却のための穴掘り(穴の大きさ「直径5尺、深さ2尺程度」)、茶菓や飲み物の準備などを行います。さて、当日は、午後1時に役員と有志が集まり、事前に届いてる正月飾りや古い神札、薪、古材を穴に投げ込み、お酒を撒いて全員で身を清めた後、火を付けます。火はしだいに大きくなり、炎となって見上げるほど高く上がりました。
「どんど焼き」の語源の一つに、どんどん燃える様子から名付けられといわれていますが、まさしくこの語源のように2時間燃やし続けました。残り火が出来上がる午後3時ごろになると、地域の方々がお飾りや古い神札と団子を持参して大勢集まってきました。火の回りを取り囲み、まず団子を焼く前に、大人たちは、お酒や甘酒をご馳走になりながら談笑します。
子供たちは、鰹節のだしのきいたおでんやお菓子をもらい、幸せそうな表情を浮かべていました。ふだん家では「おでん」を食べない子が「今日はよく食べるね」と話している親御さんもいました。手作りの差し入れも多く「漬物」や「こんにゃくの煮物」に舌鼓を打ちました。談笑が一段落すると小枝や篠竹で作った棒に団子(まゆ玉)を刺し、キツネ色に焼きます。焼いた団子は、その場で食べることなく、皆さん家に持ち帰るようです。
都市の発展や野焼きの制限により、「どんど焼き」はしだいに縮小する傾向にありますが、お正月の大切な神事であり、また地域の交流の場としてその効果は大きいものと思いますので、これからも大切に伝承し発展させていきたいものです。
夕方5時を過ぎると薄暗くなり、そろそろ終了の時間となります。最後に役員と有志数人が残り、真っ赤になっている残り火は防火のため土をかけます。土かけが終わると辺りは真っ暗になり、安全を確認してお互いに労をねぎらいお開きとなりました。今年は40名近い人々が集まりました。来年の14日は休日です。更に多くの人の参加を期待します。その際は、お飾り、書き初め、手作りのお団子を忘れずに!