「市民フォラーム 未来を語る」
～ 歴史を学び、未来を描く ～
掲記・題名の公開討論会が１月２６日(土)午後２時から、市長出席のもとにクリエートホールで行われました。今回のテーマは「活力ある魅力にあふれるまち八王子」を実現し、次世代に引き継いでいくため、まちづくりを考える機会を提供したものでした。
パネルデスカッションに先立ち「近世八王子町の発展」の演題で、東大名誉教授・藤田覚氏が基調講演を行いました。
①幕末八王子町の繁栄
繁栄を示す番付表として「関東自慢繁盛競」では東大関の高崎、東関脇の浦賀、『東小結の八王子』と世間で有名だった。
②八王子町の成立
４２１年前(文禄元年)に大久保長安配下が八王子町立て(町作り／横山宿・八日市宿・八幡宿)が行われた。周辺住民の需要を満たすには市が必要。３４６年前(寛文七年)の検地帳では町人口７千人。
③住民の手による町の発展
町に大名・旗本・代官は在住(行政)せず、町民が自力で生産し販売。生活廃水・時の鐘・消防などは住民が自主負担。
④八王子生糸・織物の発展が繁栄の基
元禄の頃(３２０年前)には上方でもその名が知られる存在を町民が作った。
この事業振興は生産者と商人の成果。
⑤「町と市の特権」の仕組み
「宿と次の宿間の伝馬役」を無償負担し、徳川幕府の基幹的交通体系維持に努めた。その結果の見返りに「市」の開催権利を幕府が保障し継続開催した。
以上のように町作りと事業は町民負担。
●パネリストの紹介と発言例の紹介
コーディネーター；松尾 正人氏
・中央大学文学部教授、市史編纂審議会長
・八王子市民５６・５万人のうち大学生・短大生が１３万人(２４％)と若者が多い街、この特色を活性化へ生かせないか。
・事例；長野市景観賞は、優れた景観の形成に貢献した団体を毎年顕彰。
パネリスト；内野 秀重氏
・長池公園自然館副館長、市史編纂委員
・八王子の丘陵には２千３百種(東京都の６６％)の植物が生息、とくに谷戸には貴重な植物種が多い。街作りには緑なす自然の保存が大切。良い自然環境を継続するには里山・湧水・植物・農地・住宅が適切割合で混在していることが必要。
パネリスト；保井 美樹氏
・法政大学現代福祉学部准教授、八王子市外部評価委員
・ドイツには街の花作り顕彰制度として「ミシュラン格付けガイド」のように星印を町ごとに付けていた。星三つと一つでは町並みを飾る花の多さが歴然と判別可。市民の努力を支援するツールも必要
・学生を含む若者たちの参加をもっと活用するのはどうか。未来の街づくりには先入観念にとらわれないアイデアが必要。
パネリスト；石森 孝志 市長
活力がある魅力的な八王子市をつくり上げるには市民力と地域力の更なるアップが必要。今後も各施策へ全力投球する。
パネリスト；藤田 覚氏 意見を省略
当日は２４０名の来場があり満員で、建設的な意見も多く、市民の関心の深さが分りました。魅力ある街とは、いろいろな世代が住んで見たい「満足の街」ですから、他市に先駆けた魅力が幾つか必要です。構築には時間がかかります。
感想として、魅力ある街づくりには「市民が積極的に町会・自治会へ加入」し、住民参加で街造りの活動項目とその評価システムを作り、地域活動を盛上げるのは如何かと思いました。
（広報部記）
