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古い由木への散歩道 その24


出世の薬鑵(やかん)

 松木には、多くの豪族居館の跡が残っている。すなわち松木七郎諸澄、植松太郎兵ヱ、小田野源太左衛門、大石信濃守、井草兵庫などの屋敷がある。
 また松木屋敷跡には「永和二丙辰年六月十四日」と刻まれた法印塔がある。植松屋敷跡は四方を切った跡がある。大石屋敷跡、寺沢八幡宮の越普願寺を建った大石宗虎の墓が越普願寺にある。
 天正十八年、八王子城落城の折、重臣・中山勘解由の遺子・照守信吉兄弟が一時この井草家に隠匿した。勘解由の姉が井草兵庫に嫁していた関係上来たものと思われる。
 北条氏滅亡後、徳川氏の天下となるや中山勘解由の忠臣奮戦ぶりを見て、子孫などが家康に召し出された井草家に両人が折したときに用ひし薬鑵として同家で保存している。
 井草家では出世薬鑵としてお産の産湯を沸かすのに用う由。薬鑵は口径五寸、胴廻り二尺三寸、右に把手がつき、底には三個位小さな脚がついてちょっと変わったものである。長男の産湯には必ずこれで湯を沸かすことにしている。(松木町 井草氏宅)

 子の神そば              
養蚕の神、村内に相撲があって、参拝者はそばを入れた白布の袋を持参して、ねずみの餌にしてと神前に供えて養蚕の上当りを願ったという。 (上柚木)

引用;八王子ふるさとのむかし話 巻二 

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